法事、法要、四十九日などの仏事の慣習をわかりやすく解説しています。
法事・法要・四十九日がよくわかる

仏教の宗派の違い

檀家とは

檀家(だんか)とは、特定のお寺の信徒となり、お布施などでお寺に経済的援助を持続して行い、葬式や法事を行ってもらう家のことをいいます。特定のお寺のことを菩提寺(ぼだいじ)、あるいは檀那寺(だんなじ)といいます。
菩提寺と檀家という檀家制度が生まれたのは、江戸時代のはじめです。キリシタン禁制によって異教徒を監視する目的で、すべての人はどこかの寺の檀家となる寺請制度が生まれたのです。人々の所属寺院を明記したのが「宗門人別帳(しゅうもんにんべつちょう)」で、これが戸籍のような役目を果たすようになりました。お寺は檀家にとって生活全体にかかわる大きな存在となり、その関係がいまも続いているのです。
浄土真宗では、門徒といいます。

お寺の年中行事

お寺ではさまざまな行事を催し、法要を営みます。 仏教の年中行事を説明しましょう。

修正会(しゅうしょうえ)
1月1日から7日頃
修正会は、前年に積み重ねた悪行を反省し、新しく迎えた年を祝う法要です。
涅槃会(ねはんえ)
2月15日。涅槃とはお釈迦さまが亡くなったことを言い、亡くなった日に涅槃会という法要を営みます。日本で最初に涅槃会が開かれたのは推古天皇の時代、奈良の元興寺と言われています。
涅槃会のとき、涅槃図をかかげます。涅槃図には釈迦が沙羅双樹の下で頭を北に向けて横たわり、入滅、亡くなった姿が描かれています。頭を北に向けて死者を横たえる北枕は、ここからきています。
灌仏会(かんぶつえ)
4月8日。潅仏会は、お釈迦さまが生まれた日に営む法要です。花まつりとも呼ばれています。釈迦の生まれた地が花園であったことから桜などで飾った花御堂がつくられたそうです。
日本では606年から潅仏会がはじまり、9世紀には宮中の儀式になっています。その後、徐々にひろまり、日本中の寺院で行われるようになりました。
花まつりといえば、甘茶が有名です。花御堂のなかに安置された釈迦の誕生仏に甘茶をかけて誕生を祝います。これは釈迦誕生のとき、八大竜王が天から降りて香湯を注いだという故事に基づいた儀式です。
江戸時代までは仏像の頭にかける湯は、沈香、白檀、甘松、丁字などの香を袋に入れて湯にひたしたものが使われていましたが、江戸時代から甘茶が使われるようになったそうです。甘茶はユキノシタ科の甘茶と呼ばれる低木の葉を乾燥させて煎じたもので、参拝者はひしゃくで仏頭に甘茶を注ぎます。甘茶を飲むと、無病息災が得られるとも信じられています。
施餓鬼会(せがきえ)
日にちは各寺院で異なります。施餓鬼会は、餓鬼道や地獄に落ちて苦しんでいる霊を救うための法要です。餓鬼とは若くして死んだ者のことで、この世に未練があって往生成仏できない霊のことをさします。施餓鬼会は現在、往生成仏できない精霊のため、自分自身が餓鬼道に堕ちないために行われているようです。
御会式(おえしき)
10月12日・13日。御会式は、日蓮宗の宗祖、日蓮聖人の忌日に営まれる法要です。日蓮聖人は61歳で江戸の池上で亡くなったことから、池上本門寺の御会式は盛大に行われることで知られています。
報恩講(ほうおんこう)
日にちは各寺院で異なります。報恩講は、浄土真宗の宗祖、親鸞聖人の忌日に営まれる法要です。親鸞聖人が1262年11月28日に往生されるや、遺族や門徒らが月忌・年忌ごとに各道場に集い、念仏和讃などを唱えることからはじまり、いまに続いています。
成道会(じょうどうえ)
成道会は、お釈迦さまが悟りを開かれた日に営む法要です。禅宗の寺院では12月1日から7日の夜、または8日の朝まで不眠不休で座禅が行われます。これを蝋八会(ろうはちえ)と言います。
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